凪良ゆう 著
出版社 : 講談社
発売日 : 2022/8/4
単行本 : 352ページ
ISBN-13 : 978-4-06-528149-9
寸法 : 14 x 2.7 x 19.5 cm
読了 3~4時間
この本のことを知ったのは、続編である『星を編む』が話題になっていたからだった。『星を編む』は、2023/11/8に発売されているが、未だに人気で図書館で予約してもなかなか手に取ることができない。そして、この本には前編といわれる本があった。それが『汝、星のごとく』である。
二人の主人公の恋と生き様が描かれている。暁海(あきみ)と、櫂(かい)の二人の視点から交互に描かれ、読み始めは頭が混乱してよくわからなかったが、読み進める内に「この出来事は「櫂」の視点からはどう映っただろう」と展開を予想しながら読んでいくことができた。
はずかしながら凪良ゆうさんの作品は初めてだったが、人物描写がすばらしく文章から顔や背恰好まで浮かんでくる。「北村先生の車は、FITなんじゃないだろうか」などと、どうでもいいような事を考えてしまった。著者略歴を見ると「2006年にBL作品にてデビューし・・・」とあった。『図書館戦争』や特に私のお気に入りの『阪急電車』の作者で地元出身の有川 ひろさんはライトノベル出身だった。読みやすさや引き込まれ感など、何か関連があるかもしれない。
櫂が言った言葉だと思うがメモしていたフレーズがある。
「いつまで経っても、ままらなんな」
そうなんだ。現実の世界もままならないことばかり。ままならないことばかりだけど、なんとかなっている。そして、たまーにうまくいくことがあったりする。この切羽詰まった言い方でないままならないがすごくリアルに感じた。
けっこう、重たく暗い話ではあるが、最後まで一気に読んでしまった。暁海と櫂が東京で再開する場面では、涙が出てしまった。しかし、最後はハッピーエンドとはならず、何か心に澱のようなものが残ってしまった。この澱のようなものを続編は漉し取ってくれるのだろうか。