今年の夏の暑さは異常で、雑草以外の植物にとっては過酷なものだったと思う。10年ほど前に母が植えたフジバカマにアサギマダラがやってくるようになったのは3年前である。(記録に残っているもの)
それまでは、数年間家の畑に雑草が増えただけだと思っていた。フジバカマは、秋の七草の一つで、秋に淡紅色の花を咲かせるのであるが、花もそれほど目立つものではなく、特に気にもとめていなかった。それでも母は毎年少しずつ株分けによってフジバカマを増やしていったようだった。
10月のある日、3羽(学術的には〇頭だそうだ)の少し大きめの蝶がヒラヒラとフジバカマの周りを飛んでいた。よく見ると、今まで見たこともない蝶だったので調べてみるとアサギマダラだったのだ。
それからというもの、今年も含めて毎年今頃になるとやってくる。アサギマダラの寿命は通常、幼虫の期間も含めて4~5か月程度であり、成虫は2週間前後で死んでしまうそうだ。その間、アサギマダラは約2000キロもの距離を移動するのである。
不思議なのは、毎年違う個体なのに場所を覚えているかのように我が家の小さな畑のフジバカマにやってくることである。どうやって、フジバカマの生息地を受け継いでいるのだろうか。
アサギマダラは2日~3日姿を見せた後、すっといなくなってしまった。きっと、どこか南の方へ飛んで行ったのだろう。秋の移動は、南下ルートに当たるのでこの後は、九州か沖縄の方だろうか・・・。