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初代ウォークマン(TPS-L2)の3つの思い出

最近カセットテープの再生のために試行錯誤したせいで、カセットテープ熱が上がっている。そんなこんなで、最近気になっているのが、初代ウォークマンだ。この機器については色々な思い出がある。

一つ目は、手に入れた経緯である。発売されたのは、1979年の7月である。そして、当時高校生だった自分は、結構すぐに手に入れた。3万3千円という、高校生にとっては高額なアイテムだが、当時としてはめずらしい「英語科」に通っていた自分は、「リスニング学習に」とか言って、親に買ってもらったのではないだろうか。親も、英語の教員だったこともあり、変に物分かりが良かったのだろう。しかし、当時の高校生がウォークマンを英語の学習に使うわけがないなどとは思わなかったのだろうか?まあ、親の思惑は置いておいて、しっかりと期待?を裏切り音楽専用マシンとなったのであった。

二つ目は、衝撃的だった音質である。そんなこんなで手に入れた、ウォークマンだが、今までヘッドフォンで音楽を聴くという、今でこそ普通の行為なのだが、当時としてはあまり一般的ではない(持ち運べる音楽プレーヤーがなかった時代だから)体験だったのだが、レコードから録音したクイーンのボヘミアンラブソディを聴いた時には、ぶったまげてしまった。びっくりするほど音がいいのである。この時の衝撃は今でもはっきりと覚えている。一見チープなヘッドフォンから出てくるクリアで迫力のある音にびっくりしたものである。

三つ目の思い出は、ちょっと苦い思い出である。こんないいい音楽なら、学校の退屈な授業で聞けばハッピーになれるじゃないかということで、それを実践してしまったことである。昔から早弁とかあったけど、これは、なんと言ったらいいか。その当時、公民かなんかの授業に実習生の大学生が来ていた。生意気な高校生のこと、その直向きな先生の卵を舐め切っていたのだろう。授業は、まあ一生懸命だったのだろうが、興味を引きつけるようなものではなかった。(もちろん言い訳位にはならないが)
そして、運もいいことに、席も一番後ろだったので、授業が始まるとすぐに、ウォークマンを取り出して音楽を聞き始めた。当然密閉型のヘッドフォンではないので、近くには音楽が聞こえていたのだろう、近くの友人達もにニヤニヤしてしていた。実習の先生も何やらこちらを見ているが、授業中であることもあり、特に注意をされることもなかった。しかし、授業が終わってから自分のところに来て、「音楽を聞いていましたね」と言って、「預かります」と、買ったばかりのウォークマンが没収されてしまった。

職員室に呼び出され、指導教官からたっぷりと絞られてから返してもらったが、それ以後は授業中に出して聴くことはなかった。数年後に音楽好きの友人に1万円で売ってしまったことを未だに後悔している。

もう一度触ってみたいとフリマを探してみると、高いのだ。ジャンク品でも3万〜4万、完動品だと5万円以上である。とても、購入することはできない。でも、欲しい。

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